#29 episode 07“Spell on my boundaries”
今回はHOUGA2025年秋冬コレクションについて。
テーマは“Spell on my boundaries”
魔女のままで、自由に生きる。
社会の枠にとらわれず、曖昧な私のままでもいい。
「自由で境界のない世界」を求めて。
私たちはなぜ魔女に惹かれるのでしょうか。
子供の頃から魔女は憧れの存在でした。
人生は、落ち込むことの連続で、毎日が修行のようです。
大人として、社会人として、女性として、母親として——
真面目に生きているはずなのに、どこに行っても、
何か間違えているような居心地の悪さを感じていました。
なぜか一人仮の姿で生きているような、息苦しさがありました。
本当はありのままの自分を受け入れ、
何者でもない「私」として自由に生きたい。
けれど価値観やアイデンティティが多様化した今、
「私」の絶対的な居場所を見つけることは難しく、
世界はますます複雑に見えます。
そんな日々の中で、哲学的な思考に足を踏み入れてみることは意外と楽しいものです。
「どこにも属せない」という感覚は、魔女の孤独に似ています。
魔女は、古くから"異端"とされながらも、
自らの意志で世界を生き抜いてきた存在です。
社会に馴染めない曖昧さや違和感を否定するのではなく、
むしろそれを力に変えて、独自の生き方を貫く強さを持っています。
もしかすると、私たちの心にも、魔女が住んでいるのかもしれません。
魔女を信じること——
それは、自分自身の輪郭を他者や社会の価値観で決めつけないこと。
曖昧な「私」を、そのまま受け入れること。
魔法は特別な力ではありません。
それは自分を信じ、自らの手で獲得するもの。
ファンタジーは逃避のためではなく、現実を生き抜くための力です。
日々、いろいろなものを集め、組み合わせ、試行錯誤し、失敗する。
そんな不思議な秘密の作業は、魔法の調合のよう。
HOUGAの服を纏うことは、境界に魔法をかけること。
「こうあるべき」から自由になり、自分の輪郭を広げていく。
社会に馴染まない感覚を「欠陥」ではなく「可能性」として捉え、
「普通になれない」のではなく、「普通に収まらない」という自由を楽しむ。
HOUGAの服は「私はこうありたい」という気持ちを形にする。
多様な着こなしができることで、日々の気分や変化に寄り添う。
自由に形を変えられるから、「これが正解」という概念がない。
どんな気持ちでも、どんな状態でも、ただ「着たい」と思うならそれでいい。
HOUGAの服を通して不安や迷いから解放され、心が軽くなる。
そんなふうに、みんなが自分らしく生きられたら世界は、もっと自由で、もっと優しくなる。
魔女のままで、現実を楽しむ。
それが、HOUGAの信じる「魔法」です。
HOUGA
Autumn / Winter 2025 Collection
episode 07
Spell on my boundaries
-Magic is believing in the unique witch inside each of us.
私の境界に魔法をかけて
―魔法とは自分の中にいる「魔女」を信じること。
どこにも馴染まない曖昧さを受け止め、
誰もが自分らしく生きるための軽やかさを手にいれることを祈って。
「ちぐはぐな感覚」も楽しむためにHOUGAが提案する、
ルールと自由の境界を行き来するコレクション。