#07  HOUGAの服作り:日常の欠片から生まれるデザイン

 

HOUGAの服作りは、日々の暮らしの中で感じるさまざまな感覚や記憶、色彩、素材、音、匂いといった無数の要素からインスピレーションを受けるところから始まります。それはデザインに直結するものだけでなく、心の動きや時の流れ、人との関わり、さらには何気ない瞬間も、すべてがデザインの種となります。

 

心に浮かぶストーリーを紡ぎ出す

集めた感覚やアイデアが交錯する中で、「今、どんな人や場所、情景を表現したいか」を心に問いかけ、リサーチを重ね、思索を深めるうちに、一つのストーリーが形を成し始めます。それは、自分以外の世界が起点となり、自分の視点を通して映し出したい思いが、やがて一着の服として姿を変えます。

このプロセスは、ただ自由に選び取るだけでなく、時に与えられたテーマから発想を膨らませ、想像を広げることも含まれます。制約の中にこそ、発見や新たなアイデアが芽吹くことも少なくなく、楽しみの一つです。

 

手を動かし、形を探り当てる

素材に触れ、布を体にまとわせる中で、ディテールが少しずつ浮かび上がり、彫刻を削り出すように本来の形が見えてきます。最初は生地の動きやデザインに違和感がある状況ですが、その違和感を手がかりに、何度も修正を重ねます。次第に違和感のない理想的な形が姿を現して心地よさと美しさが調和する瞬間が訪れます。

 

予期せぬデザインとの邂逅

デザインの旅は、計画通りに進むだけではありません。時には偶然がもたらす予期せぬデザインとの出会いも、HOUGAの服作りの大切な一部です。

「これを着れば、その日が特別な日になるかもしれない」「この服があれば、新しい自分に出会えそう」という可能性を感じた瞬間に、そのアイテムは完成します。